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ロボット溶接試験に関するQ&A

A)試験運用規定に関して

1.AW検定で何故、ロボット溶接オペレーター技量検定試験が必要ですか。

ロボット溶接作業の実態を把握するために行ったアンケート調査等によると、コラムのコア溶接等かなりの部分に溶接ロボットが使われている結果が得られた。ところが、外観をはじめとして、前処理不良や教示ミス、保守点検不足等が原因と思われる溶接欠陥が多々見受けられた。AW検定協議会では、このような実態を踏まえ、以下の目的で本技量検定試験を実施することとした。
① 工場がロボット溶接の品質確保のためのシステムとして適切な「ロボット溶接施工要領書」(以下「施工要領書」)を定めていること。
② ロボット溶接オペレーターが、「施工要領書」の内容を十分理解した上で、それに則って溶接施工を行うことが出来る技量を有しているかを確認すること。
③ 溶接部の品質を確認することで、品質管理システムの妥当性を確認すること。
④ 溶接ロボットの型式認証において、パス間温度及び溶接入熱が溶接条件として明記されているが、現状溶接ロボット内ではすべてが自動制御されているわけではない。そのため、ロボット溶接オペレーターが型式認証の条件を満たすための設定を行う必要がある。このことを理解しているかを確認すること。

 2.(一社)日本溶接協会の建築鉄骨ロボット溶接オペレータ試験との違いは何ですか。

(一社)日本溶接協会の建築鉄骨ロボット溶接オペレータ資格(以下「溶協オペレータ資格」)は、建築鉄骨ロボット溶接の基本的な知識・技量を有しているとの位置付けであり、AW検定協議会では以下の二つの柱を基本として審査する。
① 工場がロボット溶接の品質を確保するためのシステムとして定めた「施工要領書」の内容審査及び妥当性の確認。
② オペレーターが、異常発生時の対応を含めて「施工要領書」に則ってロボット溶接施工を行う能力を保持しているかの確認。

 3.「溶協オペレータ資格」にはどのような種類がありますか。

「溶協オペレータ資格」はWES 8111(2008)に規定されており、その種類は下表の通りである。

ロボット.png

B)試験基準及び判定基準に関して

1.試験体はオペレーターがポジショナーにセットすることになっているが、補助員が手伝うことは認められますか。

角形、円形鋼管等で補助材が大きく、一人で取り扱うことが困難な場合は立会検定員の承諾を得たうえで認める。

 2.平板継手溶接試験において使用するエンドタブの種類は工場が自由に選択できますか。

「施工要領書」に記載されている内容の通りとする。代替エンドタブを選択した場合のタブの形状・寸法はロボット溶接オペレーター試験運用規定 第5条 3の通りとする。

 3.平板継手溶接試験において鋼製エンドタブの端部の漏止めに代替エンドタブを使用することは可能ですか。

鋼製エンドタブの漏止めとして代替エンドタブを使用する場合は、その旨を「施工要領書」に明記する。この場合、鋼製エンドタブの試験体として扱い、端面の外観検査は行わない。

 4.RC、RPにおいて、溶接熱ひずみ等により当初の積層計画から変わってもよいですか。

立会検定員の了解を得ることを条件に認める。なお、積層計画から逸脱していたことを、変更理由とともに不具合処理の記録欄に記入し、新たな積層計画図を提出する。また施工要領書に溶接時の熱ひずみ等による積層の変更に対する記載がなければ次回更新時に改定する。

 5.RC、RPにおいて、A側初層溶接終了後B側の初層溶接を行い、その後最終層までA側溶接を行うような溶接順序は可能ですか。

「施工要領書」にその溶接順序が明記してあればよい。

 6.検定試験立会い時に不具合が発生した際、他者の助言は可能ですか。

オペレーター個人の技量を確認する試験という見地から不可とする。助言を得て回復・復旧したと立会検定員が判断した場合は不合格とする。

 7.角形鋼管の場合、直線部とコーナー部では電流・電圧の条件が異なるが、記録用紙にはどちらを記入すればよいですか?

直線部の条件を記入する。溶接速度も溶接試験記録に図示の直線部のものを記録する。

 8.テーパー付き裏当て金の使用は可能ですか。

「施工要領書」に明記されている場合はRT種の代替エンドタブ試験を除き認める。ただし超音波探傷試験(以下UTという)、放射線透過試験(以下、X線という)対象範囲はテーパー部も含める。

 9.オペレーター試験には工場溶接にはない溶接金属(DEPO)部の引張試験や衝撃試験があるが、これまでの試験より厳しいのではないですか。

アンケートによると溶接ロボットの導入は、生産性の向上及びコストダウンが主たる目的となっている。換言すれば経済効率を追求するあまり溶接部の性能を無視した大入熱・高パス間温度等の問題が予測されること、また阪神大震災以降クローズアップされている破断現象に溶接部の品質、特に靭性値が大きく影響していること等を勘案して確認することとした。また、溶接ロボット型式認証における溶接条件にパス間温度及び溶接入熱の条件があるが、パス間温度については溶接ロボットで自動制御されておらず、オペレーターによる設定が必要であることから、引張試験及び衝撃試験を実施して確認することとした。

 10.RC、RPにおいて、UTの判定基準をL線からLL線と厳しくしているのは何故ですか。

角形鋼管のアール部、円形鋼管の放射線透過試験が難しいため、それに代わる試験としてUTを採用している。UTで不合格となった場合はその後の機械試験を行わないことになるため、溶接部の内部欠陥を的確に把握する必要があり、そのために感度を上げた検査要領とした。

 11.RC、RPにおいて、UTは検出レベルを上げるだけですか。判定基準も厳しくしていますか。

試験基準及び判定基準の7-4にある通り、検出レベルのみを倍感度とし、判定基準は日本建築学会の「鋼構造建築溶接部の超音波探傷検査規準・同解説―最新版」通りとする。

 12.前処理の段階で試験体の製作誤差が許容値を超えていた場合でも試験は続行できますか。

試験体の寸法精度に不具合があった場合は不合格である (試験基準及び判定基準の7-1(2)の規定)。ただし、溶接開始前であれば、予備の試験体への交換は可能である。

 13.RC、RPにおいて、裏当て金の組立溶接は鋼管内部でもよいですか。

組立溶接は、A側は開先内で行う。B側は「施工要領書」に記載されている方法とする。

 14.治具セット用のつかみ板・拘束板は試験機関発送前に除去しますか。

裏面からの超音波探傷検査に支障があるため、撤去してサンダー掛け後に試験機関に納入する。

 15.各種溶接試験記録の溶接条件(アーク電圧・溶接電流)は計画値でしょうか。

受験概要書の溶接条件(アーク電圧・溶接電流)は計画値を記入し、立会検定試験の記録には、すべて測定値を記入する。

 16.組立溶接はJISの資格があれば誰がやってもよいか?外観検査で不合格の種目は当日、再度受験できますか。

「施工要領書」に明記された組立て溶接技能者が行う。

 17.溶接中の不具合の復旧は、途中から再スタートできますか、予備の試験体を用いて最初からやり直しを認めていますか。

止まった時点と同じ状態から、原則として30分以内に再スタートできる場合のみ復旧と認める。試験運用規定第6条(3)の場合を除き試験体の交換は認めない。

 18.板厚の基準値はありますか。

JIS規格品もしくは大臣認定品のため、AW検定協議会からの基準値は特に設けていない。SN490BはJIS G 3136に、SM490Bの熱間圧延鋼板はJIS G 3193に、熱間圧延平鋼はJIS G 3194に、BCP325は(一社)日本鉄鋼連盟製品規定「建築構造用冷間プレス成形角形鋼管」に、STKR490はJIS G 3466、STKN490BはJIS G 3475に、STK490はJIS G 3444による。なお、試験で使用する板厚では下表の通りである。ロボット2.png

 19.RC、RPにおいて、指定されたサイズの試験体用鋼材の入手が難しい場合、試験体サイズを変更してよいですか。また、回転治具のつかみ代を確保するため試験体の寸法を変えることは可能ですか。

試験基準及び判定基準細則の第1条による。治具の能力に合わせて試験体の形状を調整することも可能とする。ただし、機械試験のために試験機関に送付する試験体の長さは試験基準及び判定基準に示す寸法とする。

 20.1人が複数のロボット溶接機メーカーの溶接ロボットで受験することは可能ですか。

可能である。資格証は同一試験種目であってもロボット溶接機メーカーごとに発行する。複数で受験する場合は、受験申込書・受験概要書・溶接試験記録及び総合判定会用資料等、すべての関係書類はロボット溶接機メーカーごとに作成する。試験体はロボット溶接機メーカー名が判るように識別しなければならない。識別記号は以下の記号を用いるものとし、識別刻印の先頭に打刻する。 S:神戸製鋼所、 K:コマツ産機、J:JMUディフェンスシステムズ、M:MHIソリューションテクノロジーズ

 21.受験時に複数の溶接ロボットを使用する場合の制限事項はありますか。

複数の溶接ロボットでも立会検定員が溶接状況を目視できる範囲に設置されていれば問題ない。別棟に設置されている等の場合は、受験前に立会検定員と移動時間を考慮した立会スケジュールの調整を行う。

 22.RTにおいて、鋼製エンドタブ試験と代替エンドタブ試験を同時に受験することは可能ですか。

可能である。ただし、代替エンドタブ試験の試験項目が鋼製エンドタブ試験を包絡しているため、資格も包絡していると考えられる。溶接ビード表面のみとする。ビード側面、始端漏れ止め鋼板側は原則として判定から除外する。ただし、漏れ止め鋼板の仮付けを母材に行なっている場合は試験体不具合と判定する。なお、試験開始前であれば立会検定員の承諾を得たうえで、予備の試験体への交換は可とする。

 23.(一社)ロボット工業会の型式認証取得の有無の確認はどのような方法で行いますか。

(一社)ロボット工業会が発行した型式認証書及び認証証明シールの確認による。

 24.パス間温度の管理方法が合否判定に関わってくるが、具体的に何を良否の判断にしていますか。

立会い時に検定員が受験者にパス間温度の管理方法をヒアリングし、受験概要書(ロボット溶接施工要領書)に記載してあるパス間温度管理方法と相違があった場合には不合格とする。実際の溶接管理において、パス間温度の管理が溶接品質に及ぼす影響が大きい事を考慮し、ロボット溶接オペレーターがパス間温度の管理方法を把握していることが重要であるため、受験概要書に詳述されたパス間温度の管理方法を、ヒアリングで確認することとした。

 25.試験片の図に記載のある「▽」は何を示していますか。

表面の粗さを示す記号で、以下を目安とする。ただし、各種溶接試験基準に表面粗さの指定がある場合はそれに準ずるものとする。

表面粗さ.pngC)ロボット溶接施工要領書に関して

1.「施工要領書」の提出期限はありますか。

事務局宛に3部、原則として受験申請後1ヶ月以内に提出とするが、6月30日を最終提出期限とする。

2.「施工要領書」の記載順序は自由でよいですか。

原則として、ロボット溶接施工要領書審査規則細則第1条(3)に示す順序に準拠し、ロボット溶接施工要領書作成説明書によること。

3.「施工要領書」の審査には、「新規」、「延長」、「更新」、「変更」とありますが、どのような区分けになっていますか。

原則として、「新規」は初めてAW検定協議会が審査する場合である。「延長」、「更新」、「変更」は、ロボット溶接オペレーター試験運用規定第24条、及びロボット溶接施工要領書審査規則細則第2条による。